1歳向けのモンテッソーリおもちゃ選びの正解は、「落とす・つまむ・運ぶ」など、今やりたがっている動きを一つだけ満たすシンプルなおもちゃです。
高価な教具をそろえる必要はなく、選び方の軸さえわかれば手作りでも十分に楽しめます。この記事ではモンテッソーリおもちゃの1歳の発達に合うおすすめのタイプと選び方、身近な材料での手作り例、効果を引き出す親の関わり方まで紹介します。誕生日プレゼント選びの参考にもしてみてくださいね。
記事の監修者:代田 佳恵(しろたよしえ)
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モンテッソーリのおもちゃとは?1歳向けの特徴
まずは「モンテッソーリのおもちゃ」が普通のおもちゃと何が違うのか、1歳の発達とあわせて押さえましょう。
「自分でできた」を引き出すためのおもちゃ
モンテッソーリ教育で使われるおもちゃは、子どもが自分で選び、自分の力でやり遂げる経験を引き出すための道具です。日本モンテッソーリ教育綜合研究所は、モンテッソーリ教育の基本的な考え方を「子どもには生来、自立・発達していこうとする力(自己教育力)があり、その力が発揮されるためには発達に見合った環境が必要である」と説明しています。
大人が教え込むのではなく、子どもが夢中になれる環境を用意することを大切にしているため、1つのおもちゃに1つの目的だけを持たせ、繰り返し取り組めるつくりになっているのが特徴です。この考え方を知っておくと、市販の知育玩具を選ぶときにも判断の軸として役立ちます。
※出典:日本モンテッソーリ教育綜合研究所(公益財団法人才能開発教育研究財団)「モンテッソーリ教育の基本的な考え方」https://sainou.or.jp/montessori/about-montessori/thought.html
1歳は手先と体の使い方が大きく広がる時期
1歳ごろは、歩く・つまむ・入れるといった動きが日ごとにできるようになる、変化の大きい時期です。こども家庭庁の調査でも、ひとりで歩ける子の割合は1歳ちょうどで約半数、1歳4〜5か月未満では約97%に達するとされており、発達の幅がとても広いことがわかります。だからこそ月齢ではなく、「今この子が何をやりたがっているか」を基準におもちゃを選ぶことが大切です。
▼ひとり歩きができる子の割合
| 月齢 | 割合 |
| 1歳0〜1か月未満 | 47.9% |
| 1歳2〜3か月未満 | 83.0% |
| 1歳4〜5か月未満 | 96.9% |
※出典:こども家庭庁「令和5年乳幼児身体発育調査 調査結果の概要」https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/b32105e4-fa26-42eb-97d0-2e5cbaef703a/25a6391e/20241225_policies_boshihoken_r5-nyuuyoujityousa_10.pdf
1歳におすすめのモンテッソーリおもちゃ
1歳がやりたがる動きは大きく3タイプに分かれます。子どもの「今のブーム」に合うものから選んでみてください。
落とす・入れる遊びができるおもちゃ
1歳前後のおもちゃ選びで最初の定番になるのが、穴に物を落とす「ポットン落とし」系です。物をつかんで離すという動きを繰り返したがるこの時期にぴったり合い、夢中になって取り組む子が多く見られます。「入った!」という結果が目に見えてわかるため、達成感を味わいやすいのも魅力です。
▼落とす・入れる系の例
- ポットン落とし(ボールやチップを穴に落とす)
- 型はめボックス(丸→四角の順にやさしいものから)
- コイン落とし・ボール転がしタワー
つまむ・通す遊びができるおもちゃ
指先の力がついてきたら、親指と人差し指でつまむ動きを使うおもちゃが次のステップになります。つまむ・引っぱる・通すといった動きは、スプーンやボタンなど日常生活の動作につながる練習です。少し難しそうに見えても、繰り返すうちにできるようになる姿が見られます。
▼つまむ・通す系の例
- ペグさし(棒に輪やペグをさす)
- 太めのひも通し・リング通し
- 引っぱり出すおもちゃ(ティッシュ型の布おもちゃ)
体を使う遊びと真似っこができるおもちゃ
歩き始めの時期は、全身を使う遊びと大人の真似っこ遊びも大好きになります。手押し車は歩く練習と運ぶ遊びを兼ねられ、お世話人形やおままごとは「大人と同じことをしたい」気持ちに応えてくれます。体・手先・心のバランスよい発達につながるため、室内用と外用で使い分けるのもおすすめです。
▼体・真似っこ系の例
- 手押し車・引っぱる車のおもちゃ
- お世話人形(寝かせる・ごはんをあげる)
- 布巾やミニほうきなど「お手伝いごっこ」道具
1歳のモンテッソーリおもちゃの選び方
たくさん買いそろえるより、選び方の3つの軸を押さえて少数精鋭でそろえるほうがうまくいきます。
「少しだけ難しい」を一つだけ用意する
おもちゃ選びの基準は、今できることより少しだけ難しい課題を「一つだけ」含んでいることです。簡単すぎれば飽きてしまい、難しすぎれば手に取らなくなります。「もう少しでできそう」なおもちゃに出会えたとき、子どもは驚くほどの集中力を見せてくれます。たくさん並べるより、今の発達に合う数個を出しておくほうが、じっくり遊び込めるのもポイントです。
▼助産師からのアドバイス
といっても何を選んだらいいのか?難しいですよね。近くの子育て支援センターや児童館などのおもちゃで、どんなものに興味を持ち、また年上の子どもたちが遊んでいるのをまねたりするので、よく観察してみるといいでしょう。
誤飲サイズと素材の安全性を確認する
1歳はまだ何でも口に入れて確かめる時期なので、誤飲につながる小さな部品がないかの確認は欠かせません。東京都は、トイレットペーパーの芯を通るサイズ(39mm)のものは乳幼児が口に入れて飲み込む危険性があるとして、特に注意を呼びかけています。消費者庁も、子どもの口の大きさは直径約4cmが目安で、これより小さいものは口の中に入り誤飲の原因になる可能性があるとしています。
芯を通る大きさのものは避けるか、大人が目を離さない場面だけで使うようにしてください。なめても安全な塗料か、部品が外れにくいつくりかも確認しておくと安心です。また2025年12月25日からは、3歳未満向けのおもちゃに、国の安全基準を満たした証である「子供PSCマーク」と、対象年齢や使用上の注意の表示が義務づけられました。市販品を選ぶときは、このマークの有無もあわせて確認しておくと安心です。手作りする場合は、市販品以上に安全チェックを丁寧に行いましょう。
※出典:東京都こどもセーフティプロジェクト「子育て中のヒヤリ・ハットから学ぶ、誤飲・窒息の予防策とは?」https://kodomosafetypj.metro.tokyo.lg.jp/column/vol-002/
※出典:消費者庁「子どもを事故から守る!プロジェクト Vol.544 おもちゃなど小さなものを誤飲する事故に注意!」https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20210225/
※出典:消費者庁「子どもを事故から守る!プロジェクト Vol.677 こども向けの製品に関する新しい制度、「子供PSCマーク」がはじまりました!」https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20260123/
音や光の出ないシンプルなものを選ぶ
ボタンを押すと音や光が出るおもちゃは魅力的に見えますが、刺激が強い分子どもが受け身になりやすい面もあります。モンテッソーリの考え方では、子ども自身の働きかけで変化が起きるシンプルなおもちゃが好まれます。素材の手触りや木の音など、素朴な感覚を味わえるもののほうが、集中して繰り返し遊ぶ姿につながりやすいものです。電池のおもちゃを否定する必要はありませんが、メインは「自分で動かすおもちゃ」に置くとバランスが取れます。
手作りでも楽しめるモンテッソーリおもちゃ
1歳向けのおもちゃは構造がシンプルなので、身近な材料の手作りでも十分に役割を果たせます。
身近な材料でつくれる定番アイデア
手作りの良さは、子どもの「今」に合わせてサイズや難易度を調整できることです。ミルク缶やペットボトルなど、家にあるものだけで定番のおもちゃがつくれます。子どもが興味を持つかどうかを先に確かめられるので、市販品を買う前のお試しとしても便利です。
▼手作りの定番アイデア
- ミルク缶のふたに穴を開けたポットン落とし
- ペットボトルにストローを入れるストロー落とし
- フェルトボールと製氷皿の色分け遊び
- 布を結んでつなげた引っぱり出しおもちゃ
手作りするときの安全チェックポイント
手作りおもちゃは市販品のような安全基準の審査を受けていないため、作り手であるママ・パパのチェックがすべてになります。遊ぶたびに壊れかけていないかを確認し、少しでも危ないと感じたら作り直すようにしてください。ネット上にも手作りおもちゃの作り方がたくさん出ているので、参考にしてみてくださいね。
▼手作りの安全チェック
- 部品は誤飲できない大きさか(芯を通るサイズは使わない)
- 切り口やふちでけがをしないよう処理したか
- テープや接着部分がはがれてきていないか
- 遊ぶときは必ず大人が見える場所で使う
よくある質問|1歳のモンテッソーリおもちゃについて
モンテッソーリのおもちゃはどこで売っている?
木のおもちゃ専門店やベビー用品店のほか、ネット通販でも「モンテッソーリ」と名のつくおもちゃは数多く購入できます。ただし名前が付いているかどうかより、「1つの動きに集中できるシンプルなつくりか」で選ぶことが大切です。実店舗では手触りや大きさを確かめられるので、初めての一つは店頭で選ぶのも良い方法です。
木のおもちゃでないとだめ?
木製でなくても構いません。木のおもちゃは手触りや重みの感覚が豊かというよさがありますが、プラスチックや布にも軽くて扱いやすいという長所があります。大切なのは素材そのものより、子どもが自分の力で繰り返し取り組めるつくりかどうかです。素材の違うおもちゃを組み合わせれば、いろいろな感触に出会えるというメリットもあります。
1歳半から始めても遅くない?
1歳半からでもまったく遅くありません。モンテッソーリの考え方は年齢を問わず、「今やりたがっていること」から始めるのが基本だからです。1歳半ごろなら、ひも通しや型はめなど少し手応えのあるおもちゃから入ると夢中になりやすいでしょう。始める時期より、その子の興味に合っているかどうかを大切にしてください。
おもちゃはいくつ用意すればいい?
数をそろえるより、今の発達に合う数個だけを出しておくほうが、じっくり遊び込めます。手の届く棚に3〜4個だけ並べ、残りはしまっておく形にすると、子どもが自分で選びやすくなります。飽きてきたらしまってあるものと入れ替えれば、同じおもちゃでも新鮮に感じられます。たくさん並んでいると迷ってしまい、かえって一つに集中しにくくなるためです。
すぐに飽きてしまうときはどうする?
飽きたように見えるときは、その動きがもうできるようになったサインであることがほとんどです。落とす穴を小さくする、つまむものを細くするなど、同じおもちゃでも少しだけ難しくすると、再び夢中になることがあります。それでも興味が戻らなければ、いったんしまって1〜2か月後に出し直してみてください。買い足す前に「難易度を上げる」「間を置く」を試すと、手持ちのおもちゃで長く遊べます。
まとめ|1歳のモンテッソーリおもちゃは「ちょうどいい」が正解
1歳のモンテッソーリおもちゃ選びは、高価な教具をそろえることではなく、今の発達に「ちょうどいい」ものを用意することがポイントです。ぜひわが子に合った一つを見つけてあげてくださいね。
▼この記事のまとめ
- モンテッソーリのおもちゃは「自分でできた」を引き出すための道具
- 1歳は落とす・つまむ・運ぶなど、やりたい動きで選ぶ
- 基準は「少しだけ難しい」「誤飲しない」「シンプル」の3つ
- ミルク缶のポットン落としなど手作りでも十分楽しめる