「妊娠線や肌のかゆみはどうケアしたらいいの?」
妊娠中や出産後に肌トラブルで悩む方は多いですよね。でも早めに適切なケアを始めれば、妊娠線の予防や肌のかゆみの軽減が可能です。
本記事では助産師監修のもと、妊娠線と肌のかゆみの原因、そして簡単にできる具体的なケア方法を紹介します。忙しいママでも取り入れやすい方法が満載ですので、ぜひ参考にしてくださいね。

記事の監修者:代田 佳恵(しろたよしえ)
【実績】
延べ2万人以上の親子をサポート
渋谷区を中心に活動している出張専門の助産師。
妊娠から卒乳までのサポートを提供し、お宅に伺って母乳相談、産後ケア、育児相談など行っています。
産前産後ヨガ、ベビーマッサージクラスなども開催してます。
この記事で分かること
・妊娠線と肌のかゆみの原因
・産前・産後・かゆみのケア方法
・妊娠線やかゆみに関するよくある疑問
妊娠線と肌のかゆみを防ぐための基礎知識
妊娠線や肌のかゆみは、妊娠中のホルモンの変化や体の成長に伴って起こる症状です。原因を知り適切なケアを始めることで、防ぐことや和らげることができます。
ここでは、それぞれの原因についてわかりやすく解説します。
そもそも妊娠線とは?
妊娠線とは、妊娠中に皮膚が急激に伸びることでできる線状の跡のことです。医学的には「ストレッチマーク」や「線状皮膚萎縮」とも呼ばれ、特にお腹や胸、太もも、お尻などに現れやすいのが特徴。
早い人ではお腹が目立ち始める妊娠5か月頃から、多くは8か月頃にあらわれます。初めは赤紫色やピンク色で目立ちますが、時間とともに白っぽくなり目立たなくなっていきます。白くなった妊娠線は完全に消すことが難しいため、早めの予防ケアがとても大切です。
なぜ妊娠線ができるの?
妊娠線ができる主な原因は、皮膚の奥にある「真皮層」の繊維が断裂することです。妊娠による急激な体の変化(お腹の膨らみ、乳腺の発達、体重増加など)で皮膚が引き伸ばされ、真皮がその変化に耐えきれず裂けてしまうことがあります。
また、ホルモンバランスの変化によって肌の弾力が低下することも、妊娠線ができやすくなる要因のひとつです。以下の表に、妊娠線ができやすい部位とその理由をまとめました。
部位 | 理由 |
おなか | 赤ちゃんの成長で皮膚が急激に伸びる |
むね | 授乳準備で乳腺が発達し皮膚が引き伸ばされる |
ふともも | 妊娠による体重増加で皮膚が広がる |
おしり | 重心の変化や下半身の脂肪増加による皮膚の伸び |
肌のかゆみが出る主な要因と対応策
妊娠中の肌のかゆみは、多くの妊婦さんが経験する身近な悩みです。ホルモンバランスの変化や皮膚の伸び、乾燥などが主な原因ですが、対応策を知っておくことで、かゆみを和らげることができます。
要因 | 対応策 |
ホルモンの変化 | バランスの取れた食事を心がけましょう。 |
皮膚の伸び | 締め付けない衣類で刺激を軽減 |
乾燥 | 低刺激の保湿クリームやオイルでしっかり保湿 |
かゆみが続くと睡眠の質にも影響するため、早めの対策が肝心です。少しの工夫と日々の習慣で、快適に過ごせるようにしていきましょう。
妊娠線を予防する産前のケア方法
妊娠線を防ぐには保湿と体重を増やさないことなので、「毎日の保湿」「体重を増やしすぎない工夫」の2つが大事です。そのために、「スキンケア」「栄養バランスの良い食事」「適度な運動」を心がけましょう。
毎日の保湿ケア
肌をやわらかく保つために、保湿ケアは欠かせません。特にお風呂上りの肌が乾燥しやすいタイミングで、妊娠線予防に効果的なケアを行いましょう。
▼おすすめの保湿ケア
- クリーム:妊娠線予防専用のクリームで柔らかさをキープ。
- オイル:シアバターやホホバオイルは肌に優しく保湿力も高めです。
- ジェル:ベタつきが少なく、軽い使用感が好きな方におすすめです。
バランスの良い食生活で内側からサポート
肌を内側から健康にするためには、栄養素をしっかり摂ることが大切です。ビタミンCやビタミンE、コラーゲンが特に重要◎

▼助産師アドバイス
香辛料や糖質・脂質の多い食べ物は、過剰な皮脂分泌を促す可能性があります。
▼妊娠中に摂りたい栄養素
栄養素 | 効果 | 食材例 |
ビタミンC | コラーゲンの生成を助け、肌を強くする | 柑橘類、いちご、ブロッコリー |
ビタミンE | 肌のターンオーバーを促進 | アボカド、ナッツ類 |
コラーゲン | 肌の弾力性を保つ | 鶏皮、魚の皮、ゼラチン |
妊娠線とは違う正中線について
正中線とはおへそを中心にお腹の真ん中にできる黒っぽい縦の線のことです。
妊娠するとホルモンバランスの変化でメラニン色素が増加して、おなかが大きくなるにつれて正中線が目立ちやすくなります。妊婦さんの70%に見られるといわれています。
産後すぐには消えませんが、半年から1年程で薄くなり、自然に消えていきますので、心配しないでください。
産後の妊娠線ケア方法
妊娠線は出産後も目立つことがありますが、適切なケアを続けることで薄くすることができます。産後ケアは時間との勝負です!早めに取り組み効果を高めましょう。
日常でできる産後のセルフケア習慣
産後は赤ちゃんのお世話で忙しい時期ですが、短時間でできるセルフケアを取り入れてみましょう。
①バスタイムを活用する
お風呂は肌の汚れを落とすだけでなく、リラックスできる時間です。保湿成分入りの入浴剤を使うと、肌のうるおいもアップします。
②時間を決めてケアをする
毎日同じ時間にケアを行う習慣をつけると、忘れずに続けられます。例えば、赤ちゃんの寝かしつけ後の夜や朝のスキンケアタイムがおすすめです。
産後も活躍する妊娠線ケアグッズ
産後に役立つアイテムを上手に使えば、ケアがもっと楽になります。以下のグッズは妊娠中にも産後にも使えるのでコスパも◎
▼おすすめのケアグッズ
①ローラー付きマーサージクリーム
手を汚さずにマッサージできる便利アイテム
②保湿力の高いボディオイル
肌の柔軟性を保ち、妊娠線予防と目立たなくする効果の両方に役立ちます。
専門家に相談して適切なケアを受けるのもおすすめ
妊娠線や肌の悩みが気になる場合は、専門家に相談するのもおすすめです。自分でのケアが難しい場合や悩みが深いときは、専門家の力を借りて、無理なく妊娠線ケアを進めていきましょう。
肌のかゆみケア方法
妊娠中は肌が乾燥しやすく、かゆみを感じることがよくあります。適切なスキンケアや工夫で、かゆみを軽減しましょう。
かゆみを予防するスキンケア習慣
乾燥が原因でかゆみが悪化することがあるため、低刺激で保湿力の高いスキンケア商品を使いましょう。特にお風呂上がりは保湿のタイミングとして最適です。
▼おすすめのスキンケア方法
- 洗顔やボディソープは無香料低刺激タイプを使用
- お風呂上りに保湿クリームやオイルをたっぷり塗る
- 気になる部分はこまめに
衣類や素材選びでかゆみを軽減
肌に触れる衣類の選び方を変えるだけで、かゆみが大幅に改善することがあります。
▼肌に優しい衣類選びのコツ
- 綿やシルクなどの天然素材を選ぶ
- 締め付けの少ないゆったりした服を着る
- 汗をかいたらすぐに着替える
リラックスを促すセルフケア方法
ストレスを感じると、かゆみが悪化することもあります。リラックスできる環境を整えることで体も心も落ち着き、かゆみの緩和に繋がります。
以下の方法を試してみてください!
▼リラックス方法
- ぬるめのお風呂に入る
熱めのお風呂に入ると急激に体温があがり、かゆみを伝える神経の働きが活発になるため、かゆみが強くなります。ぬるめのお風呂がお勧めです。 - 刺激が少ない入浴剤を使う
温浴効果や肌の保湿がありリラックスできます。 - 軽いストレッチや深呼吸
体を伸ばしながらリラックスすると、気持ちが落ち着きます。
妊娠線やかゆみに関するよくある疑問を解決!助産師が答える安心のQ&A
ここでは、妊娠中や産後によくある質問に、助産師がわかりやすくお答えします。悩みがちなポイントを解消して、安心して毎日を過ごしましょう。
妊娠線ができやすい体質はあるの?
妊娠線ができやすい人の特徴として、乾燥肌の方、小柄ややせ型の方、高齢出産の方、双子など多胎妊娠の方などです。
いずれも急激におなかが大きくなることにより、妊娠線はできやすいです。妊娠初期から保湿を念入りにされるといいですね。
妊娠線ケアと一緒に産後ダイエットを進めても良い?
産後は体力が必要です。急激なダイエットは体力を消耗しますし、母乳育児などの場合母乳の出が悪くなったり、体調を崩してしまうこともあります。
妊娠期間10か月で変化した体ですから、半年~1年かけてもとの体重に戻す意識で、ゆっくり進めていきましょう。食事制限のダイエットではなく、筋力をつけてしっかり動ける体を作っていきましょう。
かゆみがひどい場合の即効対策は?
かゆみが強い場合、冷たいおしぼりや保冷剤を包んだタオルなどを患部に当てると、少し落ち着きます。ただし冷やしすぎると皮膚を刺激してしまうため注意して行いましょう。
ひどいかゆみの場合は我慢せず医師に相談を。塗り薬や、妊娠の時期と症状に合わせて内服薬を出してもらえます。
寝ている間のかゆみを防ぐにはどうしたらいい?
お風呂に入ると、体が温まりすぎてかゆみが強くなったり、下着などの刺激でもかゆみが強くなります。シャワーを浴びて皮膚を清潔にして、綿素材など皮膚への刺激が少ない下着を使用し、保湿をしっかりしておくと良いでしょう。
それでもかゆみが強い場合は医師に相談しましょう。
妊娠線とかゆみは早めのケアで安心して乗り越えよう!
妊娠線やかゆみは、妊娠中や産後に多くの方が経験する症状ですが、早めのケアで予防や改善が可能です。毎日の保湿を欠かさず栄養バランスの良い食事を心がけることで、肌の健康を守りましょう。
また自分だけのケアが難しい場合は、皮膚科や助産師など専門家に相談するのも一つの方法。それでもすっきり解決できないこともあるかもしれませんが、ひどくならないようにケアできるといいですね。
無理なくできることから始めて、この特別な時期を健やかに、そして安心してお過ごしください。