「つわりがひどくて何を食べればいいかわからない…」
「においや味が気になって食べられない…」
そんな悩みを抱える妊婦さん、多いのではないでしょうか。
本記事ではつわり中でも食べられる工夫や、妊婦さんに必要な栄養を無理なく補うためのヒントを、栄養士監修のもとお届けします。
食事がラクになるアイデアや簡単レシピを活用して、つわりの時期を乗り越えましょう!
この記事で分かること
・つわり中に知っておきたい食事の基本
・つわりを和らげる食事の工夫
・妊婦さんにおすすめの簡単レシピ&作り置きメニュー

記事の監修者:土屋 文乃(つちや あやの)
【経歴】
2022年 東京農業大学応用生物科学部栄養科学科 卒業
食べること、料理が大好きで管理栄養士を目指しました。
趣味は料理、パン作りや釣り、バイクなど様々です。週末には、より美味しいパンを作るために小麦粉や砂糖、バターの種類や割合を日々研究しています。
つわり中の妊婦さんが食事に悩む理由と基本の対処法
つわりが始まると、妊婦前と同じように食べられなくなることが多いですよね。
この時期、食べられるものが限られるのは自然なこと。少しずつ自分に合った食べ方や工夫を見つけることがポイントです。
無理のない方法を取り入れて、つわりの時期を少しでもラクに過ごせるようにしましょう!
なぜつわりが起こるの?
つわり(悪阻)は、妊娠初期に多くの女性が経験する症状で、主な症状は吐き気や嘔吐です。つわりが起こる原因は完全には解明されていませんが、いくつかの説があります。
- ホルモンの変化
- 黄体ホルモンの増加
- 精神的要因やストレス
つわりは、妊娠の進行とともに多様な症状が現れ、特に妊娠10週までの期間中はその症状が最も厳しいとされます。
つわりの症状とおさまる時期とは
つわりの主な症状には以下のようなものがあります。症状の現れ方や強さは個人差が大きく、また、日によって変動することもあります。
- 吐き気、嘔吐
- 食欲不振
- 特定の匂いに対する敏感さ
- 倦怠感や全身のだるさ
- 唾液の過剰分泌
- 眠気
通常つわりは妊娠5週目頃から始まり、特に妊娠8〜10週頃にピークを迎えます。その後、12週から16週頃にかけて徐々に症状が和らぐことが多いとされています。
つわりがつらい時に気を付けたい食事の基本
この時期の食事は「少量をこまめに摂る」という基本を意識することが大切です。
空腹が続くと吐き気が悪化しやすいため、食事の回数を増やし少しずつ補給してみてください。
また、温度や食感を工夫し温かいものが苦手なら冷ましたものを、固いものが辛いときはやわらかいものを選ぶなど、自分にとって自分にとって心地よい選択を意識するとよいでしょう。
栄養バランスを守る!食べられるものが限られるときの工夫
つわり中は、特定の食べ物しか食べられないことがあります。そんな時は「食べられるものに栄養をプラスする」ことを意識しましょう。
たとえば、スープやスムージーに野菜を少し加えるだけで簡単に栄養が補えます。また、ヨーグルトやチーズ、豆乳などの栄養補助食品を取り入れるのも効果的。
「少しでも栄養が摂れたら大丈夫」という気持ちで、無理なく食事を楽しむことが大切です。
妊娠中に食べて良いチーズと、食べてはいけないチーズを詳しく解説した記事はこちらをご覧ください。
水分補給を無理なく続ける方法
つわり中は脱水症状を防ぐため、水分補給が欠かせません。ただし一度にたくさん飲むと吐き気を引き起こす場合があるので、少量を頻繁に飲むようにしましょう。
冷たい飲み物が苦手な場合は、常温の水やお茶を試してみてください。スイカやオレンジなどの果物、薄めたスポーツドリンクを取り入れるのもおすすめです。
つわりを軽減するおすすめの食事方法
空腹を避ける
空腹が続くとつわりがひどくなることもあります。1日3食ではなく、1日6回など、少量ずつこまめに食事をするのがおすすめです。
朝起きた時に常温の飲み物を少し飲む、または小さめのおにぎりやフルーツを少し口にするだけでも空腹感が和らぎ◎
脂っこい食べ物は避け、胃に優しい炭水化物を中心に摂ると良いでしょう。消化の良い食材を選び空腹を避け、体の負担を減らしながらつわりを少しずつ和らげていきましょう。
体調に合わせた食品選びのコツ
つわり中は体調が日々変わるため、その日の状態に合わせた食品を選ぶことが重要です。匂いが気になる場合は冷めたおにぎりや、サンドイッチなど匂いの少ないものがおすすめ。
また、調理方法を変えるだけでも食べやすさが変わります。同じ食材でも、煮たり焼いたり冷ましたりするなどバリエーションを変えて試してみてください。
妊婦さん向け!つわり中に試したい簡単レシピ
つわり中の食事は調理の負担が少なく、栄養がしっかり摂れることが大切です。ここでは、妊婦さんに優しい簡単レシピをご紹介します。
食べやすさを重視したレシピや、体調の良い日にまとめて準備できる作り置きメニューもあるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
管理栄養士監修|つわり中でも食べやすいレシピ
◆炊飯器に入れるだけ!鮭の和風リゾット
▼材料(4人前)
- 米 1合
- 鮭 1〜2切れ(150g)
- えのき 1パック(100g)
- 小松菜 2束(120g)
- 牛乳 300ml
- 無調整豆乳 300ml
- 味噌 大さじ1
- 白だし 大さじ1
▼作り方
①えのき、小松菜を食べやすい大きさに切る
②鮭の大きな骨を取り除く
③炊飯器に米と①②、牛乳、豆乳、味噌、白だしをいれて通常炊飯する

▼管理栄養士アドバイス
牛乳と豆乳を半分ずつ使うことで、カルシウムも鉄分もとれるレシピです。
豆乳の独特な香りなどはほとんどしないので、苦手な方でも大丈夫です○
小松菜は冷凍のほうれん草などでも代用できます!
▼栄養成分(1杯分)
栄養素 | 栄養成分表示 |
---|---|
エネルギー | 316kcal |
たんぱく質 | 17g |
脂質 | 9.8g |
炭水化物 | 539g |
食物繊維 | 2.1g |
ビタミンA | 120μg |
ビタミンB6 | 0.3μg |
ビタミンC | 13mg |
葉酸 | 88μg |
カルシウム | 156mg |
鉄 | 4.3mg |
食塩 | 1g |
◆鉄分と葉酸がとれるスムージー
▼材料
- バナナ 1本(皮むいた状態で70g)
- 小松菜 1束(60g)
- 冷凍ベリーミックス(今回はブルーベリー、ブラックベリー、クランベリー)80g
- ヨーグルト 80g(甘みが欲しい方はハチミツをいれても○)
▼作り方
①バナナは皮をむき、小松菜は根本を切りよく洗う
②①とベリー、ヨーグルトをいれミキサーで混ぜる

▼管理栄養士アドバイス
小松菜の鉄分、ベリーの葉酸で栄養たっぷりのレシピです♪
▼栄養成分(1杯分)
栄養素 | 栄養成分表示 |
---|---|
エネルギー | 150kcal |
たんぱく質 | 5.2g |
脂質 | 2.6g |
炭水化物 | 29.5g |
食物繊維 | 5.4g |
ビタミンA | 187μg |
ビタミンB6 | 0.42μg |
ビタミンC | 50mg |
葉酸 | 117μg |
カルシウム | 211mg |
鉄 | 2.3mg |
食塩 | 0.1g |
栄養士監修|つわり中に助かる作り置きメニュー
◆味付けいらず!やさいともずく酢
▼材料(4食分)
- もずく酢 2パック(120g)
- プチトマト 10個〜12個(100g)
- 枝豆(冷凍鞘なし)50g
▼作り方
①枝豆を流水解凍し、水気をとる
②プチトマトのヘタを取り、洗って半分に切る
③もずく酢に①②を入れる
▼栄養成分(1食分)
栄養素 | 栄養成分表示 |
---|---|
エネルギー | 35kcal |
たんぱく質 | 2g |
脂質 | 1g |
炭水化物 | 4.9g |
食物繊維 | 1.7g |
ビタミンA | 106μg |
ビタミンC | 12mg |
葉酸 | 48μg |
カルシウム | 19.5g |
鉄 | 0.65g |
食塩 | 0.2g |
◆鉄分が取れるミネストローネ
▼材料(茶碗5杯分)
- アサリの水煮缶 120g
- カットトマト缶(ホールトマト缶でも○)400g
- にんじん 大きめ1本(150g)
- 玉ねぎ 大きめ1個 (150g)
- キャベツ ⅛個 (200g)
- しめじ 1パック(100g )
- オリーブオイル 大さじ1(14g)
- 水 200ml
- コンソメ顆粒 大さじ1 (12g)
- 砂糖 小さじ1(3g)
- 塩 ひとつまみ
- こしょう お好みで
▼作り方
①にんじん、玉ねぎ、しめじを食べやすい大きさに切る
②オリーブオイルをフライパンであたため、にんじんと玉ねぎを炒める
③玉ねぎが半透明になったら、キャベツとしめじを加えてしんなりするまで炒める
④トマト缶と水、アサリを汁ごと加えて弱火で10分ほど煮る
⑤コンソメと砂糖、塩胡椒で味を整える

▼管理栄養士アドバイス
砂糖を入れることで味がまろやかになり美味しいです。
▼栄養成分(1杯分)
栄養素 | 栄養成分表示 |
---|---|
エネルギー | 136kcal |
たんぱく質 | 7.4g |
脂質 | 3.84g |
炭水化物 | 16.5g |
食物繊維 | 3.54g |
ビタミンA | 250μg |
ビタミンC | 28.4mg |
葉酸 | 68μg |
カルシウム | 65mg |
鉄 | 7.8mg |
食塩 | 1.6g |
つわりを和らげる食事で安心して出産準備を進めよう!
つわりは妊娠中に多くの方が経験する変化ですが、食事の工夫でラクにすることができます。
「今日はこれなら食べられる!」という気持ちを大切にしながら、自分に合ったペースで無理なく栄養を補いましょう。
家族やパートナー、医師や助産師さんのサポートを活用することも大切です。一人で抱え込まず、周りに頼りながら安心して出産準備を進めてくださいね!