「ナチュラルチーズは、妊娠中に食べていいの?」
「妊娠中に食べちゃダメって聞いたけど、なんで?」
これまでは気にせず食べていたものでも、妊娠中は控えたほうがよい食品が数多くあります。実はナチュラルチーズもそのひとつ。本記事では、ナチュラルチーズを含むチーズの摂取が体にどう影響するのか解説します。
食べても良いチーズはあるのか、どうしてダメなのか、そんな疑問を解消して妊娠中の食生活に活かしてください♪
この記事でわかること
・妊娠中に食べていいチーズ
・妊娠中に避けるべきチーズ
・各チーズの特徴と【豆知識】
記事の監修者:土屋 文乃(つちや あやの)
【経歴】
2022年 東京農業大学応用生物科学部栄養科学科 卒業
食べること、料理が大好きで管理栄養士を目指しました。
趣味は料理、パン作りや釣り、バイクなど様々です。週末には、より美味しいパンを作るために小麦粉や砂糖、バターの種類や割合を日々研究しています。
妊娠中にチーズって良くないの?
低カロリーで美味しく栄養価も高く、人気のチーズ。妊娠中は避けた方が良い種類もありますが、安心して食べられるものもあります。
ぜひ参考にして、食べられるチーズを見つけましょう。
妊娠中に食べたらダメなチーズとは
妊娠中に避けるべきチーズの代表が、ナチュラルチーズ。ナチュラルチーズには以下のような商品があります。
- カマンベールチーズ
- ブリーチーズ
- ロックフォールチーズ
- ゴルゴンゾーラチーズ
- チェダーチーズ
- モッツァレラチーズ
- マスカルポーネチーズ
- ゴーダチーズなど
ナチュラルチーズは製造過程で一度も加熱されないことが多く、そのために食中毒を引き起こすリステリア菌が含まれている可能性があります。ただし、リステリア菌は熱に弱いため、加熱処理されている場合は感染リスクがほぼありません。
妊娠中に食べてもいいチーズとは
妊娠中に食べても良いとされるチーズは、プロセスチーズです。プロセスチーズは製造過程で高温処理されており、その際にリステリア菌が死滅するためリスクが低いとされています。
ただし、プロセスチーズであれば絶対に安全というわけではありません。商品ごとに製造過程が異なるため、パッケージをよく確認して「加熱処理済み」と表示されているものを選ぶようにしましょう。
ナチュラルチーズとプロセスチーズのちがい
ナチュラルチーズは生乳から、プロセスチーズはチーズから作られるという違いがあります。
・ナチュラルチーズ
牛乳や羊乳、ヤギ乳などを乳酸菌で発酵させて作られるもので、熟成期間により風味や口当たりが変わります。
カマンベールチーズやチェダーチーズなどさまざまな種類があり、どれも風味豊かな味わいが魅力です。
・プロセスチーズ
ナチュラルチーズに乳化剤を加えて加熱処理し、溶かして後に再び固めたものです。
加熱されることで病原菌のリスクがほぼ排除されるため、安全性が高いとされています。
プロセスチーズは加熱することで熟成が止まるため、期間が経過しても品質が一定に保たれるという利点も。
チーズの種類はどこで確認すればいい?
妊婦さんが安全にチーズを楽しむためには、種類や成分表示をしっかりと確認することが大切。パッケージに、「ナチュラルチーズ」や「プロセスチーズ」といった表記がされていますので確認を。また、成分表示に加熱処理済みと表記されているかもチェックするようにしましょう。
妊娠中でも安全にチーズを楽しむポイントを紹介!
妊娠中にチーズを食べたいとき、気を付けるべきポイントを2つ紹介。いくつかの要素に気を付ければ、妊娠中でも安全にチーズを楽しむことができます。
安全なチーズの選び方なども解説していますので、参考にしてみてください♪
プロセスチーズを選んで食べる
妊婦さんにおすすめできるのが、プロセスチーズです。プロセスチーズは、複数のナチュラルチーズを加熱し溶かして再加工したもの。製造過程で加熱されて細菌が死滅しているため、リステリア菌の感染リスクがほとんどありません。
ただしプロセスチーズは塩分量の高いものが多いため、塩分控えめの製品を選ぶことが大切です。
▼管理栄養士アドバイス
塩分過多は、妊娠高血圧症候群や体重増加の原因になるので気を付けましょう。
加熱調理済みのチーズを食べる
ナチュラルチーズであったとしても、リスクが少ないのが加熱調理されているものです。グラタンやピザなどの料理に使われるチーズは、調理の過程で中心まで加熱されるため安全だと言えるでしょう。またパスタのチーズソースやトーストに乗せたチーズも、オーブンなどで加熱されるため安全です。
▼管理栄養士アドバイス
75℃以上で数分加熱することで完全に死滅します!
【豆知識】チーズに限らずRTE食品全般に気を付けよう
RTEとはReady-To-Eatの略で、ハムやスモークサーモンなど、加熱なしで食べられる調理済み食品を指す言葉です。RTE食品は加熱調理を行わずに口にする機会も多く、食中毒などの原因になってしまうことも少なくありません。
ここでは食中毒の観点から、RTE食品の危険性について解説します。
非加熱食品と食中毒は切っても切れない
どのような食品もジャンルを問わず、生の状態では食中毒菌が含まれているものです。食中毒菌は種類によって危険性に大小はあるものの、免疫力が低下している妊娠中の女性にとってはどれも脅威になりえます。
例えばサルモネラ菌による食中毒では吐き気や発熱のほか、流産や早産などのリスクが指摘されています。
口に入るまで一度も加熱しないRTE食品
RTE食品はご家庭で調理や加熱をしませんが、製造過程でも加熱処理を行わないものには特に注意しましょう。これはチーズだけでなく、下記の食品が含まれます。
- ナチュラルチーズ
- コールスローサラダ
- 生ハム
- サンドイッチ
- 寿司/刺身(明太子、たらこ)
- スモークサーモン
- ミートパテ
- アイスなどの冷凍食品
これらの食品は製造過程でもご家庭でも一度も加熱されないため、食中毒の原因となる細菌が残っている可能性があります。免疫力が低下しているときは、加熱して食べる食品を選ぶと良いでしょう。
妊娠中は加熱済み食品を中心に食事を摂ろう
妊娠中は免疫力が下がり、どうしても細菌などによる食中毒のリスクは高くなってしまうもの。細菌やウイルスは加熱処理をすることで死滅しますので、できるだけ非加熱のRTE食品は避けましょう。もしRTE食品を食べる場合は、購入後は迅速に冷蔵保存し、賞味・消費期限内に利用するようにしましょう。
加工食品であれば加熱済みのものか、ご家庭で加熱調理を行ったものを食べることで、食中毒のリスクを大幅に減少させられます。
よくある質問
妊娠中チーズを食べることに関する質問を紹介します。
Q. ナチュラルチーズのなかでも特に危険な種類ものはありますか?
製造過程で加熱されない「ナチュラルチーズ」はどれもリステリア菌が含まれる可能性があり、リスクがあると言えます。
なかでも特に注意が必要なのは、ブルーチーズ・カマンベールチーズ・ブリーチーズなどソフトタイプのチーズ。これらは熟成が進む過程で菌が繁殖しやすく、特に避けるべきです。
Q. ハンバーガーやサンドイッチのチーズは大丈夫ですか?
一般的に、ハンバーガーやサンドイッチに使われるチーズはプロセスチーズであることが多く、食中毒のリスクは低いです。
もちろん、お店によってはナチュラルチーズを用いている場合もあるため、念のためお店に確認するようにしましょう。不安に感じる場合は、念入りに火を通してもらうようにリクエストすることをおすすめします。
Q. ヨーグルトや牛乳などの乳製品は問題ないですか?
基本的には、ヨーグルトや牛乳などの乳製品は加熱殺菌されていることがほとんどです。妊婦さんにとっても安全で、むしろ栄養価の高い食品でしょう。
特にヨーグルトは乳酸菌やビフィズス菌の働きにより腸内環境を整える効果があり、妊娠中の便通を促す効果も。牛乳も同様にカルシウムやビタミンDが豊富で、胎児の骨や歯の形成を助けます。
リスクを理解して賢く食生活に取り入れよう
チーズには、妊娠中に必要な栄養素が豊富に含まれおり、また低糖質で食後に血糖値が上昇しにくいため、妊娠糖尿病の予防にもつながる優秀食材。
妊娠中ナチュラルチーズは避けるべきですが、プロセスチーズや加熱済みのチーズに関しては安心です。チーズを賢く取り入れて、妊娠中もおいしくて健康な食生活を送ってくださいね♪
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