「母乳っていつから出るの?」
「授乳する時の注意点は?母乳が出ないときはどうしたらいいの?」
母乳育児に関する情報は多岐にわたり、特に初めての出産では戸惑うことも少なくありません。本記事では母乳が出始める時期や母乳が出やすくなる方法、母乳が出ない場合の対策を紹介します。
母乳と粉ミルクの違いやメリットについても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
記事の監修者:代田 佳恵(しろたよしえ)
【実績】
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渋谷区を中心に活動している出張専門の助産師。
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母乳はいつから出始める?
母乳は一般的に産後すぐに出始めますが、その準備は妊娠中から始まっています。
妊娠中のホルモン変化により乳腺が発達し、出産後赤ちゃんに必要な栄養を供給できる仕組みが整います。
初めての出産となる初産の場合は、母乳の出方に個人差があるので事前に知っておくといいでしょう。
産前に母乳は出る?
産前に母乳が出るかどうかは個人差が大きいですが、妊娠中から母乳は作られているため、乳頭のマッサージなどをすると母乳が少し出ることがあります。
母乳を出そうとして乳頭のマッサージを強くすると、おなかが張ってしまうことも。
37週目過ぎからは、お風呂に入ったときなどに優しく乳頭や乳輪部のマッサージをしてみましょう。
▼助産師アドバイス
乳頭や乳輪部を柔らかくしておくと、産後母乳育児がスムーズに始められますよ!
母乳の本格的な分泌時期
母乳の本格的な分泌は、出産後2日から4日目にかけて起こります。
この時期は体内ホルモンによって母乳分泌が調整され、乳腺の活動が活発になり初乳から本格的な母乳へと移行します。
また初乳は黄色がかった濃厚な液体でタンパク質や免疫物質が豊富に含まれており、赤ちゃんの初期の免疫力を高めます。
時期 | 母乳の状態 | ポイント |
---|---|---|
妊娠中期から後期 | 初乳が少し出ることがある | 黄色っぽく粘り気があり栄養満点 |
産前 | 個人差があり出ない人もいる | 全員が経験するわけではない |
出産直後 | 母乳の量が少ない | 赤ちゃんが吸うことで徐々に増える |
最初の数日間 | 初乳が続く | 赤ちゃんに必要な栄養と免疫物質が多く含まれる。 その後普通の母乳に変わる |
産後 | 母乳の量や出方には個人差がある | 赤ちゃんが頻繁に吸うことで量が増える |
産後2~4日は胸が張ったり熱をもったりしたり、また人によって痛みを感じることがあるかもしれません。
▼助産師アドバイス
この時期は、頻回に授乳もしくは搾乳をして母乳を外に出すと落ち着きます。
【豆知識】母乳が出やすくなる方法
ママにとって母乳が出ない悩みは大きいもの。そんな時には、母乳が出やすくなる方法を実践してみましょう。
赤ちゃんが飲みやすい姿勢で深く乳房に吸い付くことで、乳腺が刺激され母乳の分泌が促進されます。直接授乳ができない場合は、搾乳をして分泌を促しておきましょう。
母乳が出やすくなる方法をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
授乳のポイントとコツ
授乳の時は、赤ちゃんが飲みやすい姿勢でおっぱいを吸ってもらうことが大切です。赤ちゃんの耳と肩と腰を一直線にし、赤ちゃんの口とお母さんの乳頭の高さを合わせるようにしましょう。
ポイント | 概要 |
---|---|
正しい姿勢 | 飲みやすい姿勢で赤ちゃんがおっぱいを吸えるようにする |
頻繁な授乳 | 新生児期は赤ちゃんが欲しがるたびに授乳する。 |
授乳の間隔 | 授乳の間隔は2〜3時間が目安。 夜間も含めて定期的な授乳が理想的。 |
母親のリラックス | リラックスできる姿勢で授乳しましょう。 |
また赤ちゃんが口をパクパクさせたり、手を口に持っていく動作は授乳のサインです。
育児中の母乳ケア
1日に8回以上の授乳もしくは、搾乳をすることで母乳量が増やせます。さらに母乳の生産を促進するには、バランスの取れた食事と十分な水分補給が必要。
特に水分は母乳の出を良くするために重要ですので、1日最低でも1.5ℓの水を飲むよう心掛けましょう♪
- タンパク質、カルシウム、鉄分、ビタミンDなどが豊富な食品を摂取する
- アルコールは赤ちゃんのためにもやめておきましょう
- コーヒーが飲みたいときはカフェインレスにすること
これらを上手に取り入れることで、母乳育児を成功させるための基盤を築くことができます。
▼助産師アドバイス
母乳量が少ない、出ていない気がする、痛みがあるなどの場合は早めに病院や助産師に相談しましょう。
母乳育児のメリットを紹介!
母乳は赤ちゃんにとって最も理想的な栄養源であり、さまざまなメリットがあります。
なかでも、母乳には免疫グロブリンなどの抗体が豊富に含まれており、新生児の免疫システムを強化し感染症から守る役割を果たします。赤ちゃんに母乳をあげることで、風邪や下痢などの病気にかかりにくくなります。
母乳は赤ちゃんにとって理想の栄養源
母乳は赤ちゃんにとって最適な栄養源であり、その成分は赤ちゃんの成長と発達に必要なすべての要素を含んでいます。
また、母乳は消化が容易なため、赤ちゃんの消化器官に優しく便秘などガスによる腸内環境への負担も少ないのが特徴。さらに母乳に含まれるオリゴ糖が善玉菌の増加を促進して、健康な腸内フローラを維持できます。
赤ちゃんにとって母乳は大切で最適な栄養源。可能な限り母乳をあげられるように工夫していきましょう♪
粉ミルクにはない母乳育児の良さとは?
母乳育児には粉ミルクにない良さが多くあり、赤ちゃんとママ両方にとって貴重なものばかり。
粉ミルクには母乳に含まれる抗体や免疫成分が含まれてないため、赤ちゃんの免疫力をサポートする点で母乳に劣る部分があります。また、粉ミルクの調乳には適切な温度と清潔な器具が必要で、定期的な消毒や衛生管理が欠かせません。
さらに母乳育児は授乳により母親のカロリー消費を増加させ、妊娠前の体重に戻りやすくする効果もあります。
経済的な負担が減る
粉ミルクは赤ちゃんが成長するにつれて量も増え、継続的に購入するとコストがかさみますが、自然なプロセスで提供できるため家計に優しいのが母乳育児。哺乳瓶など専用器具の購入や消毒にかかる時間と費用も節約できます。
母乳は冷凍保存できるので、職場に復帰した後でも母乳育児を続けることが可能。母乳育児は赤ちゃんの免疫力向上による医療費の削減にもつながるので、総合的に経済的負担が軽くなります♪
母乳育児に関するよくある質問
母乳育児に関する質問をまとめました。
- 母乳育児の利点は何ですか?
- 母乳が足りないと感じたらどうすればよいですか?
- 赤ちゃんの授乳頻度はどのくらいですか?
- 授乳中の食事に気をつけるべき点はありますか?
- 母乳育児中に避けるべき薬はありますか?
初産では不安なことや分からないことが多いので、ぜひ参考にして不安を解消しましょう。
母乳育児の利点は何ですか?
母乳育児の利点は、赤ちゃんにとって最適な栄養源であることです。
母乳には成長に必要な全ての栄養素がバランスよく含まれており、特に初乳には免疫力を高める成分が豊富に含まれています。
また母乳は消化が良く赤ちゃんの未熟な消化器官にも優しいため、便秘や下痢のリスクが低減されることも利点です。
乳がんリスク低下について
授乳期間12カ月ごとに乳がんリスクの4.3%の有意な低下が見られるという結果が得られました。また、2007年の世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究協会(AICR)の報告書で行われたメタ分析(4件のコホート研究と37件の症例対照研究にもとづく)では、授乳期間5カ月ごとに2%の乳がんリスク低下が示され、乳がんに対して授乳が予防効果を持つことは「ほぼ確実」と結論づけました。
引用元:がん対策研究所 予防関連プロジェクト
母乳が足りないと感じたらどうすればよいですか?
母乳が足りないと感じた場合は、授乳の頻度を増やしてみましょう。
授乳と授乳の間が空くと胸が張ってよく出ている感じがありますが、胸が張っていなくても吸ってもらえば母乳は出ます。
赤ちゃんが母乳を吸うことで母乳の分泌が促進されるため、新生児期には2~3時間おきに授乳することが推奨されています。
母乳の質と量を向上させるためにも、バランスの取れた食事と十分な水分補給を心がけましょう。
赤ちゃんの授乳頻度はどのくらいですか?
赤ちゃんの年齢や個々のニーズによって異なりますが、一般的には新生児期は2~3時間ごと、1日に8~12回程度が適切とされています。頻繁な授乳が必要なのは、新生児は胃が小さく一度に多くの量を飲むことができないため。
授乳の頻度は赤ちゃんの健康状態や成長に応じて変わってきますので、適宜対応しましょう。
授乳中の食事で気をつけるべき点はありますか?
授乳中の食事で気を付けるべき点は、バランスの取れた食生活を心がけることです。
なお、母乳は赤ちゃんの主要な栄養源ですが、ある程度バランスのとれた食事なら問題ありません。
またカフェインやアルコールは母乳を通じて赤ちゃんに悪影響を与える可能性があるため、しばらくは摂取量を制限しましょう。赤ちゃんの体調に少しでも違和感を感じたら、すぐに専門医に相談してください。
母乳育児中に避けるべき薬はありますか?
一般的に、多くの薬は母乳へ移行する量が非常に少ないことが分かっており、赤ちゃんに影響する可能性は低いと言われています。その中で、下記は避けたい薬の一部です。
- ホルモン剤
- 抗がん剤など
長期的に薬を使用する必要がある場合は、赤ちゃんにも影響が出ることがありますので、必ず医師に相談しましょう。
授乳と薬に関する情報や授乳中のお薬相談ができるサイト
国立育成医療研究センター
母乳は赤ちゃんの大切な栄養源!
母乳は赤ちゃんにとって大切な栄養源であり、母乳育児は母親と赤ちゃんとの絆を深める素晴らしい機会でもあります。ママになる方は自身の健康を考え、生活環境を整えましょう。
そして母乳育児を続けるには、周囲の理解と協力も不可欠です。専門医はもちろん、パートナーや家族のサポートを受けながら、無理のない範囲で母乳育児をしましょう♪
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