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3ヶ月間最大10台の端末検証で投稿効果を「見える化」──ママインフルエンサー施策の精度を高める新アプローチ

3ヶ月間最大10台の端末検証で投稿効果を「見える化」──ママインフルエンサー施策の精度を高める新アプローチ

目次

インフルエンサー施策の新知見。ハッシュタグ検索上位表示は「いいね・保存・コメント」の三位一体で決まる

育児系商材のプロモーションにおいて、ママインフルエンサーを起用した投稿施策は、今や多くの企業が取り組む定番の手法となりました。しかし、その効果測定は「投稿後の再生数やリーチ数、エンゲージメント率を報告して終わり」というケースがほとんどです。

今回ad-pでは、3ヶ月にわたり最大10台の端末を使ってハッシュタグ検索順位をデイリーで追跡。『投稿後に何が起きているか』を可視化しました。

インフルエンサーマーケティングの「見えない壁」

Instagramのハッシュタグ検索で上位表示されているのか、実際に新規層に届いたのか。多くの企業がこの「見えない部分」を検証できていないのが現状です。再生回数が伸びても、それがフォロワー内での拡散なのか、ハッシュタグ検索経由で新規ユーザーに届いているのかは、通常のレポートでは判別できません。

そして何より、Instagramのアルゴリズムは日々変化しています。投稿のタイミング、端末による表示の違い、エンゲージメントの高い投稿とそうでない投稿の差——これらを体系的に検証している企業は、ほとんどないのではないでしょうか。

本当に大切なのは、投稿後に何が起きているのか

インフルエンサーマーケティングは「投稿して終わり」ではなく、投稿後にその投稿がどう拡散されるかがプロモーションの成否を分けます。

今回ad-pでは、育児商材プロモーションにおいて、従来とは全く異なるアプローチで施策を実施しました。それが、「最大10台の端末×デイリーでのハッシュタグ検索順位追跡」です。

単なる数値報告ではなく、「なぜその投稿が伸びたのか」「ハッシュタグ検索での表示とエンゲージメントにどんな因果関係があるのか」を調査し、『投稿後に何が起きているか』を可視化しました。

3ヶ月間の表示検証で行ったこと

施策概要

実施期間:3ヶ月間
商材:哺乳瓶消毒
施策回数:3回(第1回:基礎データの収集/第2回:継続起用の効果検証/第3回:インフルエンサー入れ替え+自由投稿)
起用インフルエンサー: 延べ37名(重複除く27名)
総フォロワー数::1,527,000
検証用ハッシュタグ:2パターン
検証台数:8~10台

施策詳細

1. 投稿表示の追跡調査

  • デイリーで8~10台の端末でハッシュタグ #A、#Bの検索表示を確認
  • 投稿動画が「5スクロール以内」に表示されるかを追跡
  • 時間帯・端末による表示順位の変動をレポート化

2. エンゲージメントとハッシュタグ表示の因果関係分析

  • エンゲージメント率が高いインフルエンサーとハッシュタグ上位表示の相関を検証
  • 同一商材・同一インフルエンサーでリール/フィード投稿の比較検証
  • 異なるインフルエンサーが別期間に同一商材を投稿した際の表示パターン分析

3. アルゴリズム変動の観察

  • 3ヶ月間の投稿期間を通じて、表示ロジックの変化を観察
  • どの投稿がどのタイミングで検索上位に表示されるか、パターンを抽出

3ヶ月間の検証でわかったこと

定量的成果
リール投稿:927,183回再生(24人)、1人あたり平均38,632.6回
フィード投稿: 261,151imp(13人)、1人あたり平均20,088.5imp
ハッシュタグ上位表示:合計896回(延べ37人)
1端末あたりのハッシュタグ上位表示回数:合算3.3回(各137台、合算274台)

目標値に対する達成率は、リール投稿257.5%、フィード投稿401.7%、上位表示165%と、いずれも大幅に目標を上回りました。

エンゲージメント率が高ければ、上位表示されるのか?

インフルエンサーの影響力を測る指標として一般的に用いられる「エンゲージメント率(=いいね+コメント+保存+シェア ÷ フォロワー数×100)」。「エンゲージメント率が高いインフルエンサーを起用すれば、ハッシュタグ検索で上位表示されるのでは」と多くの方が考えるのではないでしょうか。

しかし今回の検証では、エンゲージメント率が高くても上位表示されないケース、逆に低くても上位表示されるケースなど、さまざまなパターンが確認されました。つまり、「高いエンゲージメント率が必ずしも上位表示を保証するわけではない」ことが明らかになりました。

ハッシュタグ検索上位表示結果と傾向

保存数が多い投稿は上位表示されやすい傾向
まいママ(保存355件)、ゆかのん(保存145件)など、高保存数のインフルエンサーは上位表示回数も多い。特にゆかのんは第2弾で60回と大幅に増加。
→アルゴリズムに高く評価される可能性

フォロワー数が多いと、ENG率が低くても上位表示される場合がある
ちえママ(95,000フォロワー、ENG率0.33%)は第2弾で54回上位表示。
haru_mama(37,000フォロワー、ENG率0.57%)も第2弾で44回と高頻度。
→アルゴリズムは複合的に評価している可能性

「いいね」より「保存」「コメント」が重要
haru_mamaの事例: いいね209件だが保存0件 → それでも上位表示
まいママの事例: いいね211件、保存355件、コメント30件 → バランス良く高数値
→単一指標ではなく、いいね・保存・コメントのすべてが揃っていることが重要

検証から見えた傾向

分析の結果、上位表示の要因は「エンゲージメント率」ではなく、複数の反応がバランスよく獲得されているかどうかが重要であることが明らかになりました。

つまり、どれか一つの反応だけでは十分ではなく、いいね・保存・コメントの3つすべてが一定以上揃っている投稿が、最も安定して上位表示されやすいと言えるのではないでしょうか。

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